ISOコラム

工場整備の基本 5S実践の勘所 まずは1S整理から


工場の中には想像もつかないくらいに不要なものが転がっています。それらの不要なものをそぎ取って、「今必要なものだけを手元に置く」それが「1S 整理」 です。資材や材料、資料や工具を探さない」それが2Sです。そんなことはもちろん知っていますよ。その通り、知っています。

ただし、5Sの効果はやってみて初めて分かるもの、ということを知っていますか? どんな説明も解説もあまり役に立ちません。単純に愚直に、という言葉でいってしまうのは危険ではありますが、それでも、実践すること、やってみて初めて、なるほど、と体感できるということも知識として押さえておきましょう。

さあ、1S 整理を始めましょう。皆に声をかけるのは5S推進者のあなたです。工場の人たちを集めて5S、そして1Sの整理について説明します。工場長、職長、時には社長までが口をそろえて抵抗します。あれほど5Sを推進しようといっていた人が、です。

1Sができた、というためには二つの条件をクリヤすることが必要です。一つ:必要、不要の判断基準が明確になっていること。それをもとに、手元に置いておくかどうかの判定ができるでしょうか?この基準は大きな紙に、大きな文字で目につくところに掲示しておきます。ここが大事なところです。

判断基準が明確になったら、モノにはっきりと示すことが次のステップです。一人当たり20枚の赤札をつくりましょう。赤い紙、赤いラベル、なんでも結構です。本来は処理区分などを書きこんだ赤札を作ります。その赤札を1Sを推進する人たちに配ります。全員がそろったところで、一斉に赤札貼を始めます。時間はきっちり15分、それ以上でも以下でもろくなことはありません。

赤札を持った人は、現場の担当者に同じ質問を繰り返します。「手元にあるコレは、一か月以内に使いますか? 一か月以内に使いましたか?」 この同じ質問だけです。答えもシンプル、「はい、使います、使いました」または「使っていません、使う予定はありません」 いつも二つだけ、そのほかは聞き流します。「どうかな?」とか「わからない」といった返事は、「使わない」側に入れてしまいます。その質問とラベル赤札の貼り付けを手元の20枚がおわるまで、淡々と繰り返します。いずれにしても、10分くらいで手持ちの赤札を貼終わります。

やるべきことはこれだけです。これだけで手元に置いておく必要がないモロモロが赤札とともに浮かび上がってきています。これから先は事務的な作業になるので、また次の機会に説明します。

改定への対応